Elephant (2003)
Directed by Gus Van Sant


  さて今回御紹介する映画は2003年ガス・ヴァン・サント監督の作品「エレファント」です。

この映画は全米、そして世界を震撼させたコロラド州のコロンバイン高校での出来事を淡々と映像化した作品です。

同時期にマイケルムーア監督の「ボーリングフォーコロンバイン」がありましたが、

彼のつくり出す、ドキュメンタリータッチの作品とは対照的に、淡々とリアルにごく普通の高校生の日常を描き、

そこに突然悲劇の瞬間が訪れます。そこに、なぜ?との問いかけに答えはありません。

  僕にとってこの映画、ホントに後味悪いいや〜な気分になる映画だった訳ですが、

ちょっと前に友達からエレファントって映画をみて、なかなか興味深い視線で良かったときいていたので、

レンタルの新作の棚にあったそのDVDを何の前知識もなくするッと借りて来て見てしまったので、

その惨事が起こる瞬間まで、登場人物達と同じように、なんでそんな事になったのか分からず、ただただ唖然。

言葉を失ってしまいました。

 しかし、ホントにこの事件はそんな感じの出来事だったのでしょう。なぜ?それを容易く解明なんて出来やしないのです。

もしかして見ても何も残らないかも知れません。 ちょーリアルな現実を映像化したものですから。

 さてさてそれはともかく、音楽の話に参りましょう。 この作品で、印象的に登場するのが、

ベートーヴェンの、piano sonata C♯ minor moonlight sonataの第一楽章です。

一人の高校生が、グランド〜校舎に入って行き、彼女に会う。そこまでのロングショットのバックにこの曲が流れます。

そのごく普通の日常の一人の高校生の足取りを(←のの多用すぎ)後ろからカメラがつけて行くシーン何だけど、

とっても映像綺麗。

ここで登場したこの曲は後に、銃撃事件を起こす少年達とリンクして行く訳ですが、どうリンクして行くのかは御覧ください。

 そして、この映画の要である高校生の日常。そこをいかにリアルに描けるかによって事件との対照が

よりくっきりする訳ですが、この映画是非ヘッドフォンで聴いていただきたい。

校内で繰り広げられる日常の音。生徒達の会話。廊下の反響。教室の反響。食堂での喧噪。

学校での独特のその反響感みたいのがとてもよく感じ取られて、学校に通っていた頃の音が耳からリアルに伝わって来ます。

そのリアルさをより感じる事によって、この事件の現実的な部分がくっきり浮き出て来る気がします。

ハッキリ言って気分悪くなりますよ。しかし、これがこの事件の現実。一度直視してみる事は大切かも知れません。

普通に映画として見ない方がいいと思います。ちょーリアル。そこから何を感じ取れるでしょうか。

それにしても、ベトーヴェンって悲劇に似合うのね。

あなたもこの映画を聴いてみてはいかがでしょうか。