Equilibrium リベリオン 〜反逆者 (2002年)

Directed by Kurt Wimmer


 さて今回ご紹介する映画はカート・ウィマー監督年の作品、リヴェリオン(反逆者)です。

主演はスピルバーグ監督の「太陽の帝国」で、ちょー大物子役として主演していた クリスチャン・ベール。

大人になってからは、最近ですと「アメリカンサイコ」等に出演しています。

今回この映画の聴きどころとして紹介したいのは、ほんの30秒ほどのワンシーン。

そこに感情的なものが凝縮された、とても印象的なシーンなので、是非ご紹介しましょう。

 さて先に物語をざっと紹介しましょう。 ちょっとややこしいかも。

21世紀初頭に勃発した第三次世界大戦。生き残った指導者たちは、人間の攻撃的な感情や怒りが戦争や争いを招くとして、

その感情をを抑える為に、強力な精神安定剤、プロジウムの接種を人々に義務付けます。

しかしその反動として、 喜びや悲しみのなどの全ての感情も押さえられてしまいます

また、音楽や本、絵画等全てを禁止し、回収、処分を政府は試みています。

そして、プロジウムの接種を拒み、美術品保護に携わっている裏組織を取り締まる為に特殊部隊を組んでいます。

その特種部隊のエリートに与えられる称号クラリックのメンバーが、 クリスチャン・ベール演じる主人公のジョン・プレストンです。

そんな国家の取り締まり役エリートのジョンが、様々な要因が重なるのですが、プロジウムの接種をやめる事を試み、

次第に裏組織へと足を踏み入れるようになり、次第に感情を押さえられなくなり・・。

 そんな彼がある時、裏組織のアジトの一室で見つけてしまったのが一枚のレコード。

そこにはベートーヴェンと書かれていました。早速蓄音機で再生します。

感情が目覚めはじめた彼にとって、その音楽は一気に彼の感情を高ぶらせ、その衝撃に涙が止まらなくなります。

ほんの短いシーンなのですが、とても印象的なシーンなので御紹介したいのですが、そこで流れる曲は第九です。

そう言えばこの映画を紹介しようと思い出したのは先週ご紹介した北京ヴァイオリンの監督、チェンカイコーさんの話から

中国文化大革命の時代とこの映画がちょっと重なったのね。 →北京ヴァイオリン

それはともかく、以前にも紹介した時計仕掛けのオレンジでも実は第九を紹介しましたが

それとこのリベリオンのこのシーンがかぶってるとか言う人もいるらしいけど、それはどうでもいいが。

ところでこのシーンに第九を使いたいと最初から決めていた監督。

使いたかったのは監督本人も好きで、なじみのあるカラヤン指揮のベルリンフィル演奏のヴァージョン。

しかしこの演奏は調べたところ、世界一使用料が高いものと判明したそうで、

何と90秒の使用で7万5千ドルだってさ〜。(800万くらいか?)高!

でもって、この場面の音楽に使える予算は1万5千ドル。残念!

それに見合ったヴァージョンを探したらしいです。ま、超有名な名盤ですからね。

 何はともあれこの映画、その冷血世界に浸っていく中でのこのシーンですから、僕はこのシーンかなりきてしまいました。

そして、感情のない人間から、徐々に色んな感情を得て、その変わりゆく表情を見せるクリスチャン・ベールの演技もとても見どころです。

この映画、聴き所としてはそのわずか30秒(くらいかな?)程ですが、

そこに凝縮された意味を考えるとホントに重要な聴き所と思います。

あなたも是非この映画を聴いて、あ〜感情を持っていて素晴らしいなんて実感してみてはいかがでしょうか。