gloomy sunday  暗い日曜日

Directed by Rolf Schubel

 さてさて今回御紹介するのは「暗い日曜日」。

これホント最近の映画の中では大好きな作品です。

家の近所のT-tayaさんでは最初2本くらいしか無かったけど、今では本数も増え

サスペンス部門のランキングにも上位になってました。

原作は1988年のニック・バルコウの小説。

監督はドキュメンタリー映画界で数々の国際賞に輝いたロルフ・シューベル。

ドイツとハンガリーの合作で日本では2002年に公開になってます。

この映画のモデルとなり、「暗い日曜日」を 作曲したのははレッソセレシュ。

この曲は《自殺の聖歌》ともいわれ、実際にこの曲が作曲された1930年代末から

第二次世界大戦中にかけて、この曲を聞きながら自殺をする人が世界中に多発し、

発禁になるという事態になった曲です。

作曲した本人レッソセレシュも1968年に投身自殺をしています。

セレシュは、ハンガリーの首都ブタペストにあるレストラン「キシュ・ピパ」(小さなパイプという意味らしい)

というお店でピアノを弾いていたそうです。

作詞者のラズロ・ヤヴォールは、この店のオーナーと言われていて、この曲のヒットのおかげで

ブタペストの名所になったそうで、現在も経営しているとのこと。(←是非行ってみたい)

この曲についての事実が分かっているのはこのくらいのようで、

実はこの映画それ以外の設定はニックバルコウの小説をもとにしたフィクションです。

 さてこの映画のファーストシーン。

ハンガリーはブタペストのサボーというレストランで夫の80歳の誕生日を祝いに来たある老夫婦。

なじみの深い思い出の場所での誕生会。

食事中に「あの曲を」と店のヴァイオリン弾きにリクエストします。

そこでその老紳士は突然痙攣をおこし、床へと倒れます。

その老紳士の突然死から60年時代はさかのぼり物語は 始まっていきます。

 時は1930年代末、ブタペストに一軒のレストランがオープンしします。

レストランを支えるオーナーのラズロと彼の若く美しい恋人イロナ。

あるとき、二人は名も無きピアノ弾きアラディを店に雇い入れますが、

イロナとアラディはやがて惹かれ合うようになります。

しかし三人が選んだのは、決別 ではなく、愛の共有だでした。  

自由奔放なイロナは、今の3人の関係が心地よいのだからこのまま続ければいいと。

不思議にもこの関係はなかなかうまくいくのです。

イロナの誕生日にラズロは素敵なブローチを、お金の無いアラディはプレゼント代わりに

まだ出来ていないんだけどと言いながら、お店のピアノで「暗い日曜日」を演奏し捧げます。

この曲を弾きはじめるとお店の客達は、その美しくも悲しい旋律に聞き入ってしまいます。

すぐさまこの店でこの曲は注目を集め、オーナーラズロの力添えもあり、レコード化、

たちまち世界中で大ヒットを遂げるのです。

しかしながら、この曲を聞きながら自殺する人が後を絶たず、《自殺の聖歌》という刻印を押されてしまいます。

 時は流れていき、ある時この店のビーフロールの大ファンで、何よりもイロナに密かに思いを寄せる

ハンスが、ナチス将校となって久々に店を訪れます。

そう、時は刻々と第二時大戦のドイツナチス時代へと突入していきます。

あーーー恐い。そんな時代背景の中、主人公達は暗い日曜日の旋律と共に、渾沌とした時代へと飲み込まれていきます。

暗い日曜日の作曲者アラディの運命は・・。ユダヤ人のラズローの運命は・・。そしてイロナは。

 さてそれぞれの運命を翻弄する暗い日曜日。さすがに今の時代にこの曲を聞いて自殺する人はいないと思いますが、

耳から離れない3連符。美しさと悲しみの同居する半音階、そして和音の響き。

あまりにも美しすぎるその旋律は、あの時代に人々が求めても見えなかった希望、自由、愛、未来・・。

そんな思いが凝縮されているように思います。

僕はこの映画の中でこの曲が登場するどのシーンでも泣けてしまいます。

調べてみましたらこの曲、実に多くのアーティストがカヴァーしてました。

日本では越路吹雪さん、淡谷のり子さん、美輪明宏さん等。

海外でも、DAMIAを始め、ビリーホリデイ、エッタジェームス、ルイアームストロング、レイチャールズ、

サミーデイヴィスジュニア、エルヴィスコステロ、ビョーク等等等。

僕も一回ライブでこの曲ピアノで弾きました。

ってことで、今回はなんと!僕がこの日のオンエア用に家で前日にピアノで演奏した

うるしどひろしピアノヴァージョンと、映画のエンディングで流れるheather novaのヴァージョンを

あわせてお聞き頂きました!なんてスペシャルな!

とってもこの曲に感化されてるうるしどひろしでございます。

皆さんも是非是非この映画を聴いてみてはいかがでしょう?

そうそうこの映画にはとっても大きなオチがあって、何だかスッとします。