La Vita e bella(1997) ライフ・イズ・ビューティフル


 さて今回御紹介するのは1997年のイタリア映画、 ロベルト・ベニーニ監督、脚本、主演の感動作、

La Vita e bella (life is beautiful) です。

ベニーニはイタリアのチャップリンとも称される主にコメディー映画俳優として 有名ですが、

この映画はナチの強制収容所に収監された一家を題材にした物語。

しかしながら 一貫して明るくユーモラスな視点で描かれています。

今までに無い、ナチスを真っ向から明るくポジティブに生き抜く捕え方が印象的。

最悪の状況も、心持ち一つで力強く切り抜けていける勇気を教えてくれる映画です。

そして純粋な家族への愛が描かれています。

  1939年、ユダヤ系のイタリア人であるグイドは小学校の教師、ドーラに恋をし結婚、

可愛い息子もうまれ、3人の幸せな日々が訪れます。

そんなある時、3人は突然強制収容所へ。息子をひたすら守り、明るくふるまう父の姿にちょー感動です。

さて音楽ですが、Nicola Piovaniのスコアによるオリジナル音楽はイタリアのオペラを思わせる雰囲気で、

物語をイタリア映画らしく、全体を通して、 どこかオペラを見ているような感覚さえ覚えます。

これって凄くポイントね。というのも、イタリアを舞台にした美しい映像、町並みに、

自然に 合うっていうことは、オペラがこの地域に根ざしている文化だからこそ。

 そしてこの物語の中で、重要な位置を占める歌があります。その歌を今回御紹介しましょう。

それはオッフェンバック(彼はもともとドイツ生まれのユダヤ人で、オッフェンバックというのは、

彼が生まれたドイツの地名、オッフェンバッハ・アム・マインから取った、いわば芸名だったらしい)

作曲のオペラ『ホフマン物語』の中の有名な「舟歌」と呼ばれる歌。

この曲はグイドとドーラが出会った頃の二人にとって思い出深い歌として前半に登場 するわけですが、

後半彼らが収容所で、男女別々になってしまい、 生きているのかも確認できない、もちろん会うこともできない状況下、

この歌が家族の絆を結ぶ重要な役割を果たします。

 収容前グイドはホテルの給仕役の仕事をしていましたが、ある時収容所内でドイツ人達のパーティーの給仕役に抜擢されます。

そこで見つけた舟歌のレコード。蓄音機を収容所内に向けて流します。その歌はドーラの元へも届いたのでした。

極限の収容所内で家族を結ぶ重要な歌として登場するオッフェンバックの舟歌。

「ショーシャンクの空に」で登場する台詞、「音楽は決して奪えない心の深くにある物だ」

そんなシーンも思い出されますね。

ということで、オッフェンバック作曲オペラ『ホフマン物語』から舟歌を聴いていただきました。

あなたも是非この映画を聴いてみてはいかがですか?

P.S. グイドとドーラの息子役の子がホントに可愛い。その演技の素晴らしさにこの映画後、
  問い合わせが殺到したそうですが、まだ子供だということで 詳細は明かされていません。